2010年11月
クシシュトフ・キェシロフスキ『デカローグ』
2010/11/29by GX750
「もう今年も終わりですねー」いよいよそういう会話が交わされるようになりました。だんだんと寒さも厳しさを増しているようです。私のようにぼんやりと日々を過ごしていると、本当にあっという間に一年が過ぎてしまいます。
フランスの哲学者サルトルは《人間は自由の刑に処されている》と言いました。人間は絶対的な自由を持っていることと引き換えに、常に選択に迫られ、自分が選んだその運命に責任を持たなければならない、ということです。ぼんやりと過ごしてきたのなら、ぼんやりと過ごしてきたなりの運命を引き受けなければならない、ということになるのでしょうか。なかなか厳しい意見です。
さて、大好きな映画監督の一人にクシシュトフ・キェシロフスキというポーランド出身の映画監督がいます。彼は『ふたりのベロニカ』『トリコロール』といった有名な映画の他に『デカローグ』という伝説的なテレビドラマを世に残しました。全10話1話完結のこのDVDBOXは宝物といえるくらい大事にしているもので、何度も繰り返し観ています。そして観るたびにサルトルの言葉を思い出します。
ドラマの主人公はだいたい、ある種の偶然によって引き起こされる《人生の選択》の中に身を置かれます。主人公はそのことを意識しているいないに関わらずどちらかの運命を選びとる、その先にある運命とは……、というのが一貫したテーマとしてあります。終わり方は茫洋としていて はっきりとしていません。ただ、それを選んだことに対する《責任》のようなものが、主人公の肩にのっているように見えてなりません。
普通に過ごしていると、なかなか《何かを選んでいる》という意識が働かなくなってしまいます。そしてぼんやりと日々は過ぎ、いつの間にか「もう今年も終わりですねー」と口にしている今日このごろです。
GX750
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パンケーキ通信 その2
2010/11/26by ピップ
おいしい薬?
2010/11/22by トンガリあたま
めっきり寒くなって風邪が大流行していますが、皆様お元気でしょうか?
こんな寒い日には「あっこのままだと風邪ひくな」って思う瞬間ってありません?もちろん葛根湯を飲んだりするのも手なんですが、僕のオススメは汗が噴き出る料理で一気に体の熱や悪い気も含めて出してしまうことです。じゃあ何を食べるのか?それは「蒙古タンメン中本」で決まりです。これでもかと入った唐辛子で真っ赤に染まったラーメンと上に乗った野菜の山を食べれば、汗は吹出し、目は血走りますが嘘のように風邪の前兆は収まります。ただ辛いだけではなく、慣れてくるとその辛さの中にある甘さというか旨味がわかるようになります。ここまできたらあなたも立派なモンゴリアン(蒙古タンメン愛好家)でこの味がムショーに食べたくなる禁断症状に悩ませれることでしょう。(笑)ただ中本臭と呼ばれる独特の香りが口だけでなく全身から漂いますので、TPOを考えて食べましょう。
ではLet's 中本!
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ご当地グルメ
2010/11/20by でこボン
仕事柄、出張することもあるのですが、ご当地の美味しいものを食べられることが楽しみのひとつです。
岡山には『豚蒲重』なるものがありました。某TV番組でも紹介された、岡山県では有名な食べ物ということでした。豚肉をタレにつけ込んで焼いてあり、うなぎの蒲焼きと同じく重箱で運ばれてきました山椒もちゃんと用意してあります。炭火で焼いた香ばしいお肉をがっつり頂き満足の一品でした。
長崎にも美味しい食べ物が多くありますが、ブリックホールの近くにある『江山楼』の ちゃんぽんが絶品でした。さだまさし作のイメージソング(「秘伝」)もある、昔から愛されているお店なので、ご存知の方も多いかもしれませんね。店主の王さん曰く、「長崎の中国料理は、ちゃんぽんに始まって、ちゃんぽんに戻る。何事もすべては、原点に戻ります」 あの鶏ガラスープと同じく奥が深い一言です。
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バルガス・リョサ『楽園への道』
2010/11/09by GX750
バルガス・リョサが好きです!《チュンチュンチュンチュン、チュンチュンチュン…》(←晴れやかな朝の効果音)
えー、みなさんこんにちは。思わず前置きなしで「好きだ!」と叫んでしまいました。しかも最近文章が粘着的だと言われたので、爽やかさを出すために晴れやかな朝の効果音付きです。ええ、そうです、そのくらい好きなんです。バルガス・リョサ、南米ペルーの大作家です。
この名前を見てピンときましたか?そんなあなたは「日本人2人がノーベル化学賞受賞!」のニュースだけに流されず、冷静に受賞者に目を光らせた硬派な方に違いありません。そうなんです、バルガス・リョサが2010年のノーベル文学賞を受賞しました!ひゃっほーい!!《ゴロゴロゴロゴロ》(←喜びすぎて床の上を転がる効果音)
どうしてこんなに喜ぶのか。いやー、リョサの翻訳本の数が少ないんですよ。日本では主要な作品のほとんどが絶版だったりします。そうそう、彼の小説に心底やられてしまったのは、かれこれ7〜8年前のことでしょうか。当時は「もやし」だけ食べて生活しているような貧乏な学生でした…。リョサの本を買いに神田へ出かけても、高額でなかなか手が出なかったものです。あのときは代表作『緑の家』すらも絶版でした。
ただ、無理して高いお金を払っても、やっぱり読みたいと思わせるほどの小説を彼は書いています。内容は濃密で重厚、構成は複雑かつ重層的、それなのに「語り」は恐ろしいほどのスピード感を持っています。そして特筆すべきは、リョサが書く分離した二つの世界、あのうまさ。『楽園への道』この小説はパラレルな世界を書いたものの中では、個人的には一番面白かったです。しかも、驚くべき事にリョサは60歳を超えてからこの小説を書いているんですね。まったく、どんだけ体力あるんですか、末恐ろしい人ですよ。
ノーベル賞受賞ということで、絶版になった本の復刊をこうして床の上で転がりながら待ち望んでいるわけですよ。ただいま頻繁にアマゾンをチェック中です。未読の『世界終末戦争』と『密林の語り部』が復刊して文庫化されますように……
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パンケーキ通信 その1
2010/11/06by ピップ