2010年10月
犬と人と音楽と
2010/10/29by トンガリあたま
何だか一気に寒くなりましたが、皆様風邪など引かれていませんでしょうか?
今日は、心に残った本シリーズです。(いつシリーズ化したんだっ!)そしてその本は『雨はコーラがのめない』江國香織著です。けっこう有名な本なのであらためて紹介するのもなんですが、主人公の雨ことアメリカン・コッカスパニエルのワンコちゃんとご主人様とそこにまつわる音楽が書かれている、まぁ一見なんてことない日常の出来事日記って風情のエッセイです。最近はYouTubeなんて便利なものがあるので、そこで書かれている曲はすぐに観る?いや聴くってことができるので、読んでるエピソードの曲を掛けなながらフムフムと江國に共感するのもよし、自分の過去の記憶(古い音楽が比較的多い)に遊ぶのもよし、ただそこに音楽というスパイスが加わることで、2次元で読んでるエピソードが3次元的に見えてくるから不思議です。
もうひとつの発見は、犬の描写というか犬の気持ちがわかるような江國さんのやさしい目線を感じます。僕は昔から犬好きで昔はいっつも犬が一緒にいたような環境でしたので、この本を読んでいくうちに僕がかつて飼っていた犬たちの表情が懐かしく、そして少し悲しく思い出しました。この本を読んで犬を飼いたいなって思わないひとはいないのではないかと思うくらい、犬との生活の心地良さに溢れています。
どうです皆さん、現実にはなかなか犬は飼えないかもしれませんが、この本で読んでるひとときだけでも犬との暮らし始めてみませんか? 癒されますよ〜〜。
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ヴィックスヴェポラッブ
2010/10/26by でこボン
ヴィックスヴェポラッブ。いつか聞いたような名前。そう薬の名前です。
今、うちの子どものお気に入りです。ヴィック^。」**!。 大人でもちゃんと覚えている人は少ないと思いますが、はっきりと言えるはずはありません。まあ、「エレベーター」も「エベレーター」としか言えない ので、気にはならないです。
風邪気味で、鼻がつまっているので胸に塗ってあげるのですが、夜毎、「塗るぅ?。塗るぅ?」と塗られる事が楽しい様子。スースーするのが気持ちいいのか、と思っていたのですが、くすぐったいのが面白いようで、身悶えしながら笑ってます。我が子ながら、変わった子だなぁとつくづく思います。 誰に似たのでしょうか??
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マル・ウォルドロン『マイルスの影』
2010/10/20by GX750
音質の良さからLPを選ぶ人がいるという話しが出ましたが、そんな上品なことは言ってられずに目の色をかえてLPを求めさまよう人々がいます。CDでは手に入らない貴重なアルバムを見つけるため、彼らは中古CD/レコード店を徘徊していたりします。その昔、まだまだ汚れを知らない青年だった私は、お皿を数える亡霊さながらにLPを探している人々を、怯えきった目で見ていたものです。今ではリュックをしょって段ボール箱に顔を突っ込み、狭いお店の通路をせき止めながら血眼でLPを探す、汚れを知らない爽やかな音楽好きになりました。
さてマル・ウォルドロンというのは60年に『レフト・アローン』というビリー・ホリデイに捧げたアルバムを録音して、ジャズ・ファンの支持を集めた人です。スター性を持ったピアニストではなかったのですが、伝説的ライブ・アルバム『アット・ザ・ファイブ・スポット』でピアノを弾いていたりします。ちなみにECMが設立されて最初に録音されたのは、マル・ウォルドロンの『フリー・アット・ラスト』というアルバムでした。
いまいちパッとしなかった彼ですが、70年代に入ってもっとパッとしなくなります。その後ECMで録音されることはなく、enjaやfreedomといった少々マイナーなフリー・ジャズ系のレーベルにこっそりと、しかし膨大な量のアルバムを残します。大好きなのは、ちょうどそのころマル・ウォルドロンなのですよ。
彼の音楽はビル・エヴァンスのちょうど対極あるように感じます。ビル・エヴァンスが横の広がりを持った明澄な音作りをしていたのに対し、マル・ウォルドロンは音をぶつ切りにして叩き出し、縦のリズムを刻みます。そのリズムがやがて崩れ始めて泥沼のような《危うさ》に引き込まれてしまう、その何とも言えない心地よさ。特に『マイルスの影』は良くできたアルバムですね。ドラムもベースも知らない人なのですが、彼のやりたかったことを理解してうまくサポートしているような印象を受けます。ちなみにスティーブ・ライヒあたりのミニマル・ミュージックが好きな人は結構気に入るかもしれません。
そういう音楽の方向性が固まったのが70年代だったわけですが、残念なことにCD化されて廃盤になっていないのは『ブラック・グローリー』というenjaの1枚だけです。あとは必死になってLPを発掘するしかないんですね。インターネットを使えばけっこう楽に手に入るのですが、何しろ高い。そして何より特価品の段ボールで目当てのものを見つけたあの瞬間のあの喜び、あのロマンを求めているわけです。
どうか、お店の隅で段ボールに顔を突っ込んでいる彼らを優しく見守ってください。そしてどんどんマニアックになるこのブログにこれからもお付き合い下さい。
GX750
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おいしい記憶
2010/10/19by ピップ
真空管は 古くはならない
2010/10/13by トンガリあたま
「女心と秋の空」なんて云われるように、この頃の天気は移り気な感じと思うのは僕だけでしょうか…まっそれはさておき、今日のお話は又もやマニアック路線です。
皆さん「真空管」ってご存知? ご存じない、確かにご存じないか、、簡単に言えば昔のトランジスターみたいなもの、いやこれの方がもっとわからないか…要は昔の電子部品です。(大雑把すぎ)僕たちの少年時代(歳がバレる)にはテレビやステレオには、まだまだ真空管が使われていました。(よくステレオを分解しては、こいつを抜いて怒られていましたが…)こんな古いものが、オーディオ業界では今やデジタルオーディオ(iPod等)と人気を二分するブームです。かたや最先端テクノロジーを駆使し、かたや50〜60年代の真空管がもてはやされる。一見矛盾していますが、どちらも「良い音」を目指しているのには変わりありません。ただ不思議なことにオーディオ好きの定説ではCDよりもレコード、トランジスターよりも真空管の方が音が良いと言われています。実際、僕もそう思いますし、特に音にこだわりのない人でも一聴すればわかるくらい音のイキイキさが違います。本来ならばデジタルの方がアナログなものより進化しているはずなのですが、デジタルで置き換えられない何かがそこにあるのでしょう。字幕機材も真空管で作るとアナログっぽく見えるかな?!ってわけないか…
秋の夜長、何とも穏やかに光る真空管の奏でる音楽に耳をかたむけて、誰かさんのように日本酒で一杯も悪くはないかも。。
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イルカ
2010/10/11by でこボン
随分涼しくなりました。過ごしやすくていいですね。
先日、実家へ帰省することがあり、イルカを見てきました。数年前から『イルカウォッチング』の看板はたくさん見てはいたのですが、帰省しても時間がとれないこともあり、今回が初めて出かけてきました。
改良(?)した漁船で、いざ出発。たまに水飛沫を浴びながら20分くらい走ると、いました。
曇り空だったのが残念でしたが、間近で見たイルカは、なかなかの迫力でした。子供が喜ぶと思って出かけたのですが、親の方が楽しんでしまいました。
帰りの船の中で、楽しかったか子供に聞いてみたら、やけに緊張感のある顔で一言「たのしい」と呟いていたので、よしとしましょう。
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ノーマン・マクラレン『色彩幻想』
2010/10/07by GX750
秋です、すがすがしい日々が続いていますね。皆様はいかがお過ごしでしょうか?こういう過ごしやすい日々が続くと、今まで何となく先のばしにしていたものに取りかかったりしますよね。
春ごろに引っ越ししてそのままだった我が家の荷物も、ようやく片付いてきました。んで、発見したのですよ、なくなったと思っていたお宝DVD!いやー、嬉しかったですね、段ボール箱の中の更によくわからない箱の中に入っていました。なかなか恥ずかしがり屋のカワイイやつです。
えー、お宝といっても別にヘンなDVDではありません。ノーマン・マクラレンの映像集です。これを買ったころは、まだまだDVDが高かったですね。今みたいな廉価版がなかったころの思い出の品です。
ノーマン・マクラレンをご存知でしょうか?カナダの国立映画局というところで、優れた作品を連発したアニメーション界の大御所です。アニメーションといっても、いわゆるジャパニメーションのように猫耳の生えた女の子は出てきません。フィルムに直接絵の具をのせたり、引っ掻いたりする技法をとり入れて、実験的な映像を数多く残しました。
中でも優れているのが『色彩幻想』という確か10分に満たないくらいの作品です。かのパブロ・ピカソがこれを観て驚嘆した、というエピソードは有名ですね。マクラレンがどういう経緯で映像作品を作るようになったのかまったく知らないのですが(調べない…)おそらく、20世紀初頭の抽象画の影響を受けているようです。一言でいってしまえば、クレーやカンディンスキーが描いたような絵画が音楽に合わせて《動き》ます。
しかも、その音楽と映像とのシンクロ率が高いこと高いこと。もしこれが碇シンジ君なら、エントリープラグ内のL.C.Lと一体化してプラグスーツだけが可視化している状態です。完璧といえるほどに音楽と映像が一体化していて音楽がない無音状態、それすら映像で表現してしまいます。神がかっているとしか言いようがありません。デジタル技術を極限まで使用した最近のPV(プロモーションビデオ)も真っ青です。
ちなみに音楽はオスカー・ピーターソンが担当しています。そのあたりの音楽と抽象画、それにストーリーがどうこうじゃなく純粋に映像が好きな方は必見です(そんな人がいるのか?←自分です)。最近は廉価版が出たみたいですね。こういう優れた作品がもっと身近になっていろいろな人の手に渡ってもらいたいと願います。(少々マニアックなDVDは高価なものが多い…)
あまりにも嬉しかったので、長くなってしまいました。それでは、秋の夜長、ノーマン・マクラレンと日本酒で一杯。
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ふよふよ
2010/10/06by ピップ
ただのボヤキ親父じゃなかった...
2010/10/01by トンガリあたま
あの猛暑は何だったんだと思うぐらいすっかり秋モードになりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?僕たちも『芸術の秋』ってことで、それぞれが色々な現場に散って頑張っております。
今回は、最近読んで「おお〜これは面白かった!」って本の紹介です。
その本とは、『野村の「監督ミーティング」』です。これは野村監督の片腕と呼ばれた元東北楽天ゴールデンイーグルスヘッドコーチ(長い)の橋上秀樹さんが、書かれた本です。よく『野村再生工場』と呼ばれるぐらい弱小球団を優勝できるチームにしてきた手腕を一番身近で接してきた橋上氏が書いているので説得力があります。
僕などはこの本を読むまでは、野村監督のことをサッチーと呼ばれるあの夫人に言いたい放題言われるただのボヤキ親父ぐらいにしか思っていなかったのですが、目からウロコな事実がいっぱい書かれています。でも「野球なんかよくわからない」って方も心配ご無用!確かに野球を例にあげてはいますが、書かれている大半は、どの人の人生にも会社にも必要なノウハウがテンコ盛りです。
例えば野球の監督なのに、野村監督はミーティングと称して野球の話と同じように人生観、組織論、果ては幸福論まで、繰り返し選手に話をされていたようです。
もちろん技術も大事でしょうが、何よりもそれをやる人間の姿勢、生き方がその仕事に出るってことなのかもしれません。僕たちも今一度、その辺りから見直さなきゃいけないかもって思いました。
読書の秋、ちょっと自分の生き方に変化を欲しいなと思われている方、結構いいですよ〜〜!
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